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ヤコビ行列とは?

やこびぎょうれつ

変数ベクトル関数の各出力成分を各入力変数で偏微分した値をすべて並べた行列で、その関数の局所的な線形近似を表す微分解析の基本道具です。

ヤコビ行列(Jacobian Matrix)は、n変数からm変数への滑らかなベクトル関数 f: ℝⁿ→ℝᵐ において、各出力成分f_iを各入力変数x_jで偏微分した値を並べたm×nの行列です。数学カール・グスタフ・ヤコビ(Carl Gustav Jacob Jacobi)の名にちなんで命名されました。

ヤコビ行列Jの(i, j)成分は∂f_i/∂x_j で定義されます。この行列は関数f最良線形近似(全微分)を表しており、ある点の近傍で「入力の微小変化がどのように出力に影響するか」を記述します。

ヤコビ行列は多くの分野で重要な役割を果たします。

  • 座標変換:多重積分で変数変換を行う際の体積変化率として「ヤコビアン(行列式)」が現れる
  • 非線形方程式の数値解法:ニュートン法の各反復ステップでヤコビ行列を使って線形化する
  • ロボット工学:関節角度の変化がエンドエフェクタの位置・姿勢に与える影響を記述する「幾何学的ヤコビアン」
  • 機械学習:ニューラルネットワークの誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)の計算でヤコビ行列の積が用いられる

特に正方行列(m=n)の場合、その行列式であるヤコビアンが0でない点では逆関数定理が保証され、局所的に逆関数が存在します。

使い方・例文

ロボットアームの制御では、各関節角度の微小変化が手先位置に与える影響を「ヤコビ行列」として計算し、逆運動学の問題を解く際に利用します。

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