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海馬とは?

かいば

海馬とは、脳の側頭葉内側部に位置し、記憶の形成・空間認識・感情処理に深く関わる重要な神経構造のことです。

海馬(かいば、Hippocampus)は、大脳辺縁系一部として左右側頭葉内側に一対存在する、タツノオトシゴに似た形の神経組織です。その名称はギリシャ語でタツノオトシゴを意味する「ヒッポカンポス」に由来します。

海馬の最も重要な機能は記憶の形成と固定化です。特に「宣言的記憶(陳述記憶)」——事実に関する意味記憶と個人的な出来事に関するエピソード記憶——の形成に不可欠な役割を担います。新しい情報は海馬で一時的に処理されてから、睡眠中などに大脳皮質へと転送・固定化されると考えられています。

海馬が担う主な機能は以下の通りです。

  • 記憶の形成:短期記憶を長期記憶に変換する(記憶の固定化)
  • 空間記憶・ナビゲーション:場所細胞・グリッド細胞と連携して認知地図を形成する
  • 感情記憶:扁桃体と協調して恐怖記憶などの感情と結びついた記憶を処理する
  • ストレス調節:視床下部-下垂体-副腎軸のフィードバックに関与する

海馬はアルツハイマー病で最も早期に萎縮する脳領域のひとつであり、記憶障害や見当識障害の主因となります。また慢性ストレスや睡眠不足によっても海馬の神経新生(新たなニューロンの生成)が阻害されることが研究で示されており、精神的健康とも密接に関わっています。

使い方・例文

交通事故後に「新しいことを覚えられなくなった」という記憶障害の患者に対して、MRI検査で海馬の損傷が確認されることがある、という医療場面などで使われます。

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