水平遺伝子伝播とは?
すいへいいでんしでんぱ
水平遺伝子伝播とは、親から子への通常の遺伝(垂直伝播)とは異なり、異なる個体や種の間で遺伝子が直接受け渡される現象です。
水平遺伝子伝播(horizontal gene transfer, HGT)は、親子関係によらず、同世代または異なる種の間で遺伝子が移動する現象です。水平伝播や側方遺伝子移行(lateral gene transfer)とも呼ばれます。
水平遺伝子伝播の主なメカニズムは以下の3つです。
- 形質転換(transformation):細菌が環境中の遊離DNAを取り込む
- 形質導入(transduction):ファージ(細菌ウイルス)を介して遺伝子が別の細菌に運ばれる
- 接合(conjugation):プラスミドが細菌間の直接接触によって移動する
水平遺伝子伝播は細菌や古細菌(原核生物)で特に盛んに起こります。抗生物質耐性遺伝子や病原性因子がプラスミドを介して異なる菌種間に伝播するのはその代表例であり、医療上の重大な問題となっています。
真核生物では水平遺伝子伝播は比較的まれですが、ウイルスや寄生生物を介した遺伝子移動が一部で確認されており、進化における役割が注目されています。
水平遺伝子伝播は従来の「遺伝子は親から子へ」という系統樹モデルを複雑にし、生物の系統関係の解析において重要な考慮事項となっています。
使い方・例文
病院内で抗生物質耐性菌が急速に広がる際、耐性遺伝子が水平遺伝子伝播によって異なる菌種間に伝わっていることが多く、感染制御の文脈で頻繁に登場します。
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