有効質量とは?
ゆうこうしつりょう
有効質量とは、固体中の電子やホールが外力に応答する際に見かけ上もつ質量のことで、結晶内のバンド構造を反映した物理量です。
有効質量(ゆうこうしつりょう、effective mass)とは、半導体や金属などの固体結晶中で運動するキャリア(電子やホール)が、外部電場や磁場に応じて加速される際に示す見かけ上の質量のことです。自由電子の質量とは異なり、結晶格子との相互作用(エネルギーバンド構造)を反映した量です。
固体中の電子は周期的な結晶ポテンシャルの中を運動するため、その振る舞いは自由空間の電子とは大きく異なります。エネルギーバンドにおける分散関係 E(k) の曲率(2階微分)の逆数として有効質量が定義されます。すなわち、バンドの曲率が大きいほど有効質量は小さく、電子は外力に対して機敏に応答します。
有効質量の特徴として以下の点が重要です。
- 自由電子の質量より小さい場合も大きい場合もあり、物質や位置によって異なる
- バンドの上端付近ではエネルギー曲率が負となり、「ホール」の概念と結びつく
- 異方的な結晶では方向によって有効質量が異なるテンソル量になる
- 半導体デバイスの電子移動度・光学応答・熱電特性の計算に不可欠
有効質量の概念は、半導体物理学・固体電子論の核心をなしており、トランジスタやレーザーダイオードなどの半導体デバイスの特性設計に直接活用されています。
使い方・例文
シリコン半導体中の電子の有効質量は自由電子質量の約0.26倍であり、この値が電子の動きやすさ(移動度)や半導体デバイスの動作速度に大きく影響します。
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