大気の川とは?
たいきのかわ
大気の川とは、熱帯・亜熱帯付近から中高緯度へと向かう、大量の水蒸気を帯状に輸送する大気現象のことです。
大気の川(Atmospheric River、略称:AR)とは、大気中で水蒸気が細長い帯状に集中して輸送される現象です。熱帯・亜熱帯地域で蒸発した大量の水蒸気が、偏西風などの大気の流れに乗って中緯度・高緯度の地域へと運ばれます。その幅は数百キロメートルにわたり、長さは数千キロメートルに達することもあります。
大気の川という概念は1990年代にアメリカの気象学者によって提唱されました。特に北米西岸では「パイナップル・エクスプレス」と呼ばれる現象がよく知られており、ハワイ付近から北アメリカ西海岸へと水蒸気が流れ込むことで大雨や洪水をもたらすことがあります。
大気の川が与える影響は次のように正負の両面があります。
- 恩恵:山地に大量の降雪・降雨をもたらし、渇水時の水資源補充に寄与する
- 災害リスク:短期間に集中した雨が降ることで洪水・土砂災害・河川氾濫を引き起こす
- 気候への影響:全球の水循環において重要な役割を担い、大陸への水蒸気輸送の約90%がこれに依存するともいわれる
日本においても、梅雨前線や秋雨前線に伴う大雨・豪雨に大気の川が関与していることが近年の研究で明らかになっています。気候変動によって水蒸気量が増加すると、大気の川の強度が高まり災害リスクが増す可能性が指摘されており、防災・気象分野で注目されています。
使い方・例文
大気の川が日本列島に向かって接近すると、西日本を中心に短時間で記録的な大雨が降ることがある。
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