増鏡とは?
ますかがみ
増鏡とは、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて成立した歴史物語で、後鳥羽天皇から後醍醐天皇の時代を描く作品です。
『増鏡』(ますかがみ)は、14世紀中頃に成立したとされる歴史物語です。『大鏡』『今鏡』『水鏡』と並んで「四鏡」のひとつに数えられ、鏡物(かがみもの)の伝統を受け継いでいます。
内容は後鳥羽天皇が即位した1183年(寿永2年)ころから、後醍醐天皇が隠岐に流されるまでの約150年間を扱います。主として公家社会の動向・朝廷の盛衰・承久の乱・蒙古襲来・元弘の変など、院政期から鎌倉幕府滅亡前夜にいたる歴史的事件が描かれています。
作品の特徴として以下の点が挙げられます。
- 老尼が語り手となる「語り物」形式を取り、聞き手の貴族に昔語りをする構成
- 天皇・公家側の視点から描かれ、朝廷文化への深い愛着が文体に滲む
- 和歌を豊富に引用し、みやびな王朝文化の雰囲気を強調している
- 史実を詳しく伝える一方、文学的装飾も多く含む
作者については一条兼良説や二条良基説など諸説あり、現在も確定していません。四鏡の中では最も後期に成立し、最も広い時代を扱う作品として、中世の朝廷文化や政治史を知るうえで重要な資料とされています。
使い方・例文
「増鏡を読むと、鎌倉時代の公家社会の様子や承久の乱の顛末が王朝文学的な文体で描かれており、当時の朝廷文化を味わうことができる」といった形で、古典文学・日本史の学習場面で登場します。
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