塗師とは?
ぬし
塗師とは、漆を素材として器や建具などに塗りを施す伝統工芸の職人で、日本の漆工芸を支える専門的な技術者です。
塗師(ぬし)とは、漆を専門に扱い、木地や下地の上に漆を塗る工程を担う職人のことです。漆工芸において、素材の採取から完成品まで多くの専門職が分業していますが、塗師はその中心的な役割を果たします。
塗師の仕事は単に漆を塗るだけではなく、下地の調整から始まります。木地に布を貼って補強する「布着せ」、木粉と漆を混ぜた「錆漆(さびうるし)」で凹凸を埋める「錆付け」、砥石で研ぐ「研ぎ」、そして仕上げの「上塗り」まで、数十にも及ぶ工程を管理・実施します。
漆は湿度や温度に敏感な天然素材であり、塗師は「室(むろ)」と呼ばれる湿度を管理した専用の乾燥室を用いて作業します。一度の塗りで厚塗りをせず、薄く塗っては乾かし、研いでまた塗るという繰り返しが、漆特有の深みある光沢と高い耐久性を生み出します。
地域によって「輪島塗師」「会津塗師」などと称され、各産地の技法を受け継ぎます。現代では後継者不足が課題ですが、伝統工芸士制度などで技術継承の支援が行われています。
使い方・例文
輪島塗の塗師は、木地に百回以上もの工程を施して完成品を仕上げることもあり、「塗師の腕が漆器の価値を決める」とも言われます。
この用語をシェア
最終更新: