固有運動とは?
こゆううんどう
固有運動とは、恒星が天球上で年々少しずつ位置を変えていく、恒星自身の実際の空間運動に起因する動きのことです。
固有運動(こゆううんどう、proper motion)とは、恒星が宇宙空間を実際に移動していることによって、天球上での見かけの位置が年々少しずつ変化する現象です。地球の公転による年周視差とは異なり、恒星自体が太陽系に対して相対的に動いているために生じます。
固有運動は赤経方向と赤緯方向の角速度として表され、単位は通常「アーク秒/年(arcsec/yr)」または「ミリ秒角/年(mas/yr)」が使われます。2つの成分を合成した値を「全固有運動」と呼びます。視線速度(スペクトルのドップラーシフトで測定)と組み合わせることで、恒星の3次元的な空間速度を求めることができます。
最も固有運動が大きい恒星として知られるのはバーナード星で、年間約10.3秒角という突出した値を持ちます。これは太陽系に近いこと(約6光年)と、実際の空間速度が大きいことによるものです。一般の恒星の固有運動は非常に小さく、数百年〜数千年のスケールでようやく肉眼で確認できる程度の変化をもたらします。
固有運動の研究は以下のような用途で重要です。
- 太陽の銀河系内の運動の解析
- 星団・銀河の構造と力学の研究
- 近傍恒星のハビタブルゾーン探索
- 宇宙の大規模構造の解明
ガイア宇宙望遠鏡は数十億個の恒星の固有運動を高精度で測定し、銀河天文学に革命をもたらしています。
使い方・例文
星座の形が何万年後には変わるという話題や、恒星カタログに掲載される位置データの精度管理について説明する際に登場します。
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