冠動脈左前下行枝とは?
かんどうみゃくさぜんかこうし
冠動脈左前下行枝とは、心臓に血液を供給する冠動脈の主要な分枝の一つで、左心室前壁や心室中隔の大部分に酸素と栄養を届ける血管です。
冠動脈左前下行枝(LAD:left anterior descending artery)とは、大動脈基部から起始する左冠動脈主幹部(LMT)が左回旋枝(LCX)と分岐した後、心臓の前面(前室間溝)を下行する動脈です。「前下行枝」という名は、心臓の前壁を心尖部に向かって下行する走行に由来します。
LADが灌流する領域は心臓の中でも特に広く、以下の部位への血液供給を担います。
このためLADは「widow maker(未亡人製造機)」とも俗称されるほど、閉塞した際の影響が大きい血管です。LADが閉塞すると前壁心筋梗塞が発生し、心機能の著しい低下や致死性不整脈を引き起こす可能性があります。
冠動脈造影検査(CAG)や冠動脈CTでは、LADの狭窄・閉塞の評価が特に重要視されます。経皮的冠動脈インターベンション(PCI)や冠動脈バイパス術(CABG)の対象としても最も頻度が高い血管の一つです。
使い方・例文
「LAD近位部の急性閉塞による広範な前壁心筋梗塞に対し、緊急PCIで再灌流を行った」というように、循環器内科や心臓外科の臨床場面で使われます。
この用語をシェア
最終更新: