体位ドレナージとは?
たいいどれなーじ
体位ドレナージとは、重力を利用して肺の特定部位に溜まった分泌物を気道へ移動・排出しやすくするために、体の向きや姿勢を調整する理学療法の一手法です。
体位ドレナージ(Postural Drainage)とは、重力の作用を積極的に利用し、肺や気管支に貯留した痰(分泌物)を中枢気道へ誘導して排出しやすくするための体位(姿勢)療法です。呼吸理学療法(胸部理学療法)の基本的な手技のひとつとして、医療・介護の現場で広く実施されています。
肺は複数の区域(肺区域)に分かれており、それぞれ異なる方向を向いています。体位ドレナージでは、排痰したい肺区域が身体の最も高い位置になるように体を傾けることで、重力によって分泌物が気管支を通って中枢側へ流れやすくします。たとえば下葉背側の排痰には腹臥位(うつ伏せ)や頭低位(トレンデレンブルグ位)が用いられます。
体位ドレナージが適応とされる主な状況は以下のとおりです。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支拡張症など慢性的な喀痰産生が多い疾患
- 術後の肺合併症予防・肺炎の管理
- 人工呼吸器管理中の患者の分泌物管理
- 嚥下障害や筋力低下で自力排痰が困難な患者
実施にあたっては、体位変換に伴う血圧変動・頭蓋内圧上昇・逆流リスクなどを考慮し、患者の状態に応じて適切な姿勢を選択することが重要です。タッピング(胸部叩打法)や振動法と組み合わせることで排痰効果が高まります。
使い方・例文
慢性気管支炎で痰が多い患者に対し、看護師や理学療法士が1日数回、体の向きを変えて特定の肺区域を上方に保つ姿勢をとってもらうことで排痰を促す場面で登場します。
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