事象の地平面とは?
じしょうのちへいめん
ブラックホール周辺に存在する境界面で、この内側からは光さえも脱出できず、外部の観測者には情報が届かない領域の境界です。
事象の地平面(じしょうのちへいめん、event horizon)とは、ブラックホールの周囲に形成される球面状の境界で、この面を越えて内側に入ってしまうと、光を含む一切の物質・信号が外部へ脱出できなくなります。
仕組み:一般相対性理論によれば、質量が極限まで密集すると時空が激しく曲がり、光の経路(測地線)でさえ外向きに進めなくなる領域が生まれます。その内外の境界が事象の地平面です。シュバルツシルト半径(rₛ = 2GM/c²)がこの面の半径を与えます。
外部からの見え方:外部の観測者から見ると、地平面に近づく物体は時間の遅れにより限りなく減速し、無限時間かかって地平面に「凍りついた」ように見えます。一方、落下する物体自身にとっては有限の固有時間で地平面を通過します。
種類と関連概念:
- シュバルツシルト地平面(回転しないブラックホール)
- エルゴ球とコーシー地平面(回転するカー・ブラックホール)
- 宇宙論的地平面(宇宙の膨張で遠方の光が届かなくなる境界)
ホーキング放射:スティーヴン・ホーキングは量子力学効果によって事象の地平面近傍から熱的な放射(ホーキング放射)が生じ、ブラックホールがゆっくり蒸発すると予言しました。情報パラドックスとして現在も議論が続いています。
使い方・例文
ブラックホールへの物体の落下を記述するとき、「事象の地平面を超えたら二度と情報が届かない」という文脈で必ず登場します。
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