ヤシャブシとは?
やしゃぶし
ヤシャブシは、日本の山地や沢沿いに自生するカバノキ科の落葉高木で、小さな松ぼっくりに似た果穂が特徴的な先駆植物です。
ヤシャブシ(夜叉五倍子、Alnus firma)は、カバノキ科ハンノキ属に属する落葉高木で、日本の本州・四国・九州の山地、特に沢沿いや崩壊地など水分の多い不安定な土地に自生しています。「ヤシャ」は果実(果穂)が漢方薬「五倍子(ふし)」に似ることから、「ブシ」は「五倍子(ふし)」の音変化とされています。
樹高は5〜15メートルほどで、葉は卵形〜長楕円形で側脈が平行に並ぶ特徴的な形をしています。春に雄花(尾状花序)と雌花が咲き、雌花は授粉後に木質化して松ぼっくりに似た楕円形の果穂(偽果)を形成します。この果穂は熟した後も枝に長く残るため、冬の枝の判別にも使われます。
ハンノキ属の植物は根粒菌(フランキア菌)と共生して窒素固定を行う能力があり、貧栄養の荒れ地でも生育できます。このため、山地崩壊地や砂防林への植林・緑化に先駆樹種として利用される例があります。
果穂にはタンニン・エラグ酸などが豊富に含まれ、染色(媒染剤・鉄媒染で黒色〜灰色になる)や皮革なめしへの利用が伝統的に行われてきました。温泉の色が黒くなる「ヤシャブシの湯」でも知られています。
使い方・例文
山の沢沿いを歩くと、枝に小さな木質の果穂がいくつも並んでいるヤシャブシを見かけることがあります。染色の材料として工芸家が利用するほか、温泉の着色剤としても用いられます。
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