パクス・モンゴリカとは?
ぱくすもんごりか
パクス・モンゴリカとは、13〜14世紀にモンゴル帝国がユーラシア大陸を広く支配した時代に実現した、相対的な平和と交流の活発化を指す歴史概念です。
パクス・モンゴリカ(Pax Mongolica)とは、ラテン語で「モンゴルの平和」を意味する歴史用語です。ローマ帝国の支配下の安定を指す「パクス・ロマーナ」にならって名付けられました。13世紀のチンギス・ハンによる統一から14世紀中頃にかけて、モンゴル帝国およびその分裂後の後継国家群がユーラシア大陸の広大な地域を支配した時代に見られた現象を指します。
この時代の特徴は以下のとおりです。
- 東アジアから東ヨーロッパにまたがる広域でシルクロード交易が活発化した。
- 「ジャムチ」と呼ばれる駅伝制度が整備され、人・物・情報が帝国内を比較的自由に移動できた。
- マルコ・ポーロのような商人や外交使節がユーラシアを横断する旅を行った。
- 黒死病(ペスト)など疫病も交易路を通じて各地に広まった。
ただし「平和」とは征服・支配を前提とした秩序であり、征服の過程では多くの都市が破壊され膨大な人命が失われました。パクス・モンゴリカは東西文明の接触・融合を促した一方、その暴力的な側面も歴史的に重視されます。
14世紀後半に各地でモンゴル支配が弱体化・崩壊すると、交易路の安全は失われ、この時代は終わりを告げました。
使い方・例文
世界史の授業では、中世ユーラシアの東西交流を説明する文脈でパクス・モンゴリカという概念が登場し、シルクロード貿易の繁栄と文化伝播を理解するキーワードとして使われます。
この用語をシェア
最終更新: