ヌエル族とは?
ぬえるぞく
「ヌエル族」とは、南スーダンとエチオピアの国境付近に暮らす民族で、牧畜を基盤とした独特の社会制度と文化を持つナイル系の民族集団です。
ヌエル族(Nuer)は、主に南スーダン(ジョングレイ州・ユニティ州・上ナイル州など)およびエチオピア南西部のガンベラ地方に居住するナイル系の民族集団です。推定人口は数百万人とされ、南スーダンでは主要民族の一つです。
ヌエル族は伝統的に牧畜民であり、ウシを中心とした生活を営んできました。牛は財産・地位の象徴であるだけでなく、儀礼・結婚・和解の場にも欠かせない存在として文化的・宗教的な意味を持っています。
ヌエル族の社会・文化の特徴としては以下が挙げられます。
- 父系出自に基づくリネージ(血族集団)を単位とした社会構造を持つ
- 成人儀礼として額に複数の傷跡(ガール)を刻む伝統がある
- イギリスの人類学者エドワード・エヴァンズ=プリチャードの調査によって世界的に知られるようになった(著書『ヌエル族』1940年)
- ヌエル語はナイル・サハラ語族のナイル語群に属する
南スーダンの内戦(特に2013年以降の紛争)においては、ヌエル族とディンカ族の対立が大きな問題となり、多くの人々が難民となる事態が生じました。国際的な人道支援の文脈でもヌエル族は注目される存在となっています。社会人類学の教科書的事例としても引用される重要な民族です。
使い方・例文
人類学の授業や民族学の文献で、ヌエル族は「非集権的社会の典型例」として取り上げられ、国家や王に依存しない独自の秩序維持の仕組みを持つ民族として紹介されることが多いです。
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