ナダールとは?
なだーる
ナダールとは、19世紀フランスを代表する写真家・風刺漫画家で、肖像写真の芸術的確立に貢献し、気球から世界初の空中写真を撮影したことでも知られる人物です。
ナダール(Nadar、本名:ガスパール=フェリックス・トゥルナション、Gaspard-Félix Tournachon、1820〜1910年)は、フランスの写真家・ジャーナリスト・風刺漫画家です。パリで活動を始めた当初は文筆家・漫画家として知られていましたが、写真術が普及すると写真へと活動の主軸を移しました。
ナダールの写真家としての革新性は、主に二つの点にあります。第一に、肖像写真の芸術的確立です。彼のスタジオにはヴィクトル・ユーゴー・ジョルジュ・サンド・サラ・ベルナールなど当代の文豪・芸術家・著名人が集い、単なる記録にとどまらない被写体の内面を捉えた芸術的肖像写真を残しました。第二に、世界初の空中写真撮影(1858年頃)です。自ら気球に乗り込み、パリ郊外の上空から地上を撮影したこの試みは、後の航空写真・リモートセンシング技術の先駆けとなりました。
またナダールは、人工照明(電気照明)を用いた地下空間での撮影にも先駆的に取り組み、パリの下水道やカタコンブを撮影した作品も残しています。1874年には自身のスタジオを印象派画家たちに貸し出し、第1回印象派展が開催されたことでも歴史に名を刻んでいます。写真・芸術・社会の接点を生きた人物として、ナダールは写真史において欠かせない存在です。
使い方・例文
「写真史を学ぶ授業でナダールの肖像写真が紹介された」「ナダールは気球から世界で初めて空中写真を撮ったとされる」のように、写真の歴史や芸術史の文脈でよく登場します。
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