サンクトペテルブルクのパラドックスとは?
さんくとぺてるぶるくのぱらどっくす
「パラドックス」の用語まとめを見るサンクトペテルブルクのパラドックスとは、期待値が無限大になるにもかかわらず、実際には誰もそのゲームに高額を払おうとしない現象を説明する確率論・経済学上の有名な逆説です。
サンクトペテルブルクのパラドックスは、18世紀にスイスの数学者ニコラウス・ベルヌーイが提示し、ダニエル・ベルヌーイがサンクトペテルブルクで発表したことでその名が広まった思考実験です。
ゲームの仕組みはこうです。コインを投げ続け、最初に表が出た回数を n とすると、2の n 乗円を受け取れます。最初の投げで表が出れば2円、2回目で初めて表が出れば4円、3回目なら8円…と賞金が倍増していきます。
数学的な期待値を計算すると、各パターンの確率と賞金を掛け合わせた合計が無限大になります。つまり「理論上は何億円払ってでも参加すべき」ゲームのはずです。しかし実際には、ほとんどの人は数千円程度しか参加費を払おうとしません。
この逆説が示す重要な論点は以下の通りです。
- 期待値だけでは人間の意思決定を説明できない
- 大きな金額の増加は同じ量では感じられない(限界効用逓減の概念)
- リスクへの心理的な態度(リスク回避)が合理的判断を左右する
- ベルヌーイはこれを解決するために「期待効用」の概念を導入した
このパラドックスは現代の行動経済学や意思決定理論の発展に大きく貢献しており、なぜ人間が「期待値通りには行動しないのか」を探る出発点として今も研究されています。
使い方・例文
「サンクトペテルブルクのパラドックスは、期待値だけでは人間の経済行動を説明できないことを示す古典的な例として、行動経済学の入門書で必ず紹介される」といった文脈で登場します。
この用語をシェア
最終更新: