サラー・アッディーン (アイユーブ朝)とは?
さらーあっでぃーん(あいゆーぶちょう)
サラー・アッディーンとは、アイユーブ朝を建国しエルサレムを十字軍から奪還したイスラム世界の英雄的君主です。
サラー・アッディーン(1137/1138頃〜1193年)は、中世イスラム世界を代表する軍人・政治家で、アイユーブ朝の創始者です。西洋では「サラディン」の名で広く知られています。クルド人の家系に生まれ、ファーティマ朝エジプトの宰相を経て権力を掌握し、エジプト・シリア・メソポタミアの広範な地域を統一しました。
彼の最大の功績は、1187年のハッティンの戦いで十字軍を大敗させ、その後エルサレムを奪還したことです。第一回十字軍(1099年)以来キリスト教徒の支配下にあったエルサレムを約88年ぶりにイスラム教徒の手に取り戻したこの出来事は、第三回十字軍を招くこととなりました。
注目すべきは、エルサレム奪還時に市民への虐殺を避け、穏健な降伏条件を提示したことです。この寛大さは敵であるキリスト教世界にも伝わり、リチャード1世(獅子心王)との対立の中でも「高潔な敵」として描かれ、騎士道精神の体現者として中世ヨーロッパでも称賛されました。
十字軍との攻防・イスラム統一・騎士道的寛容という三点から、今日もアラブ世界の英雄として語り継がれています。
使い方・例文
中学・高校の世界史でイスラム世界と十字軍の関係を学ぶ際に必ず登場する人物で、映画『キングダム・オブ・ヘブン』でも描かれています。
この用語をシェア
最終更新: