クインチとは?
くいんち
クインチとは、方形平面の上に円形のドームを架けるために、四隅の角を斜めに埋めるアーチ状の構造要素のことで、建築の移行部として用いられます。
クインチ(squinch)は、建築における構造的・装飾的部材のひとつで、正方形・多角形の部屋の角に設けられるアーチや持ち送り(コーベル)の構造体です。四角形の平面から円形や八角形のドームへと形状を移行させるために使われます。
平面が四角形の空間にドームを架けようとすると、角部分の処理が問題になります。この角をどのように「丸める」かに、クインチとペンデンティブという2つの主要な解決策があります。
- クインチ:各コーナーにアーチや段状の持ち送りを重ねて、角を斜めに塞ぎ、八角形や円形の支持面を作る方法。
- ペンデンティブ:球面三角形状の曲面で角を埋め、ドームを直接支持する方法。
クインチはイスラム建築やビザンティン建築で多く用いられ、イランのモスクや中央アジアの建築に特徴的な「ムカルナス(蜂の巣状装飾)」と組み合わされることもあります。西洋のロマネスク建築にも見られ、塔の内部や後陣の上部などに適用されました。
単純なアーチ型から複雑な装飾的形態まで幅広く発展し、建築の移行部(トランジション・ゾーン)として構造と美観を両立する要素として重要な役割を担っています。
使い方・例文
イスラム建築のモスクや中央アジアの廟建築を解説する際に、「ドームの四隅にクインチが設けられており、正方形の平面から円形ドームへとスムーズに移行している」という形で使われます。
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