ムカルナスとは?
むかるなす
ムカルナスとは、イスラーム建築に特有の幾何学的な蜂の巣状装飾で、ドームやアーチの移行部に用いられる技法です。
ムカルナス(muqarnas)とは、イスラーム建築において発達した独特の立体装飾技法で、小さな三次元のニッチ(くぼみ)やプリズム状の要素を積み重ねて蜂の巣や鍾乳石のような複雑な装飾面を形成するものです。
ムカルナスはおよそ10世紀頃にイランや北アフリカで生まれ、その後イスラーム世界全体に広まりました。主に以下のような場所に用いられます。
- スクインチ:正方形の平面から円形ドームへ移行する隅部
- コーニス:壁と天井の境界部分
- ポータル(門)の奥まり:入口アーチの内側の凹面
- ミフラーブの内部:モスクの礼拝方向を示す壁龕
構造上は荷重を分散する役割も果たしますが、主な意義は装飾的・象徴的なものにあります。複雑に絡み合う幾何学パターンは「天空の輝き」や「神の無限性」を象徴するとも解釈されます。材料は石膏・石材・木材・タイルなど地域によって多様で、イランのイスファハーンのマスジェデ・シャー(王のモスク)やスペインのアルハンブラ宮殿の「二姉妹の間」の天井などが世界的に名高い作例です。
使い方・例文
スペイン・グラナダのアルハンブラ宮殿にある「ライオンの中庭」の各部屋では、天井一面にムカルナスが施されており、光と影が生み出す幻想的な空間美を体験できます。
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