ニッチとは?
にっち
ニッチとは、生物学において生物種が占める生態的地位(役割・生活空間)、または幹細胞を維持する微小環境のことです。
ニッチ(niche)は、生物学で2つの重要な意味で使われます。一つは生態学的ニッチ(ecological niche)、もう一つは幹細胞ニッチ(stem cell niche)です。
生態学的ニッチとは、ある生物種が生態系の中で占める「生態的地位」のことです。食物・生息場所・生活時間帯・他種との関係など、その生物が環境と相互作用するあらゆる側面を含む多次元的な概念です。競争排除の原則によれば、同一のニッチを完全に共有する2種が同じ場所に共存することはできず、一方が排除されるか、ニッチを分割するよう進化します。
幹細胞ニッチは、幹細胞が未分化状態を維持し自己複製するために必要な特殊な微小環境(マイクロエンバイロンメント)を指します。具体的には、隣接する支持細胞・細胞外基質・シグナル分子・酸素濃度などが組み合わさって形成されます。
- 骨髄ニッチ:造血幹細胞を維持する骨内腔の微小環境
- 腸陰窩ニッチ:腸上皮幹細胞を維持するパネート細胞とWntシグナル
- 神経幹細胞ニッチ:脳室下帯や海馬歯状回の特殊な環境
使い方・例文
生態学では「タカとフクロウは昼夜でニッチを分けている」、細胞生物学では「骨髄ニッチが造血幹細胞を休眠状態に保つ」という表現で使われます。
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