生態的地位とは?
せいたいてきちい
生態的地位とは、ある生物が生態系の中で占める役割や生活様式の全体を指す生態学の概念です。
生態的地位(せいたいてきちい)は、英語の「ニッチ(niche)」に対応する生態学用語で、ある生物種が生態系の中でどのような環境条件・食物・活動時間・空間を利用しているかという、その生物の生活上の「位置づけ」の総体を指します。
ニッチの概念は20世紀初頭に提唱され、とりわけ生態学者G・E・ハッチンソンが多次元的な定義を確立しました。ハッチンソンは、温度・湿度・食物の種類・捕食者の有無など、生物の生存に関わるあらゆる要因を軸とした多次元超体積としてニッチを定義しました。
生態的地位には以下の二種類の区別があります。
- 基本ニッチ(潜在的ニッチ):競争相手がいない理想的状況で占められる最大の生活空間
- 実現ニッチ(現実的ニッチ):他種との競争・捕食関係を経て実際に占めている生活空間
同一の生態的地位を二種類の生物が同時に占めることはできないという競争的排除の原則(ガウゼの法則)もこの概念に基づきます。生態的地位が重複する種の間では激しい競争が起こり、一方が排除されるか、双方がニッチを分割して共存するかのいずれかになります。進化の観点からは、生物がニッチを特殊化することで多様な種が共存できる仕組みを理解するうえで重要な概念です。
使い方・例文
「コアラはユーカリの葉だけを食べるという非常に狭い生態的地位に特化した動物だ」というように、特定の生物の生態上の役割・占有する資源を説明する際に使われます。
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