実現ニッチとは?
じつげんにっち
ある生物種が競争や捕食などの生物的相互作用を受けた結果、実際に占有している環境条件の範囲です。
実現ニッチ(realized niche)とは、生態学における「ニッチ(生態的地位)」の概念の一つで、生物種が他の種との競争・捕食・寄生などの生物的相互作用を受けた結果として、実際に生息・利用している環境条件(温度・湿度・食物資源・生息場所など)の範囲を指します。
これに対して、基本ニッチ(fundamental niche)とは、他の生物との相互作用がない理想的な条件下で、物理的・化学的環境条件だけによって決まる潜在的な生息可能範囲です。実現ニッチは常に基本ニッチの部分集合(同じか、より狭い範囲)になります。
実現ニッチと基本ニッチが乖離する主な原因には以下があります。
- 種間競争:競争相手がいることで資源や生息地の一部を利用できなくなる(競争的排除の原理)
- 捕食・寄生:ある環境条件下で天敵が増加し、生息が困難になる
- 相利共生・片利共生:助け合いによって基本ニッチの外へ分布が広がる場合もある
ニッチの概念はG.E.HutchinsonがN次元超体積モデルとして形式化し、現代の群集生態学・種分布モデリング(SDM)の基盤となっています。気候変動に伴う分布域の変化予測にも実現ニッチの枠組みが活用されています。
使い方・例文
チンパンジーが本来利用できる食物の種類(基本ニッチ)よりも、他の霊長類との競争によって実際に食べる食物が限定されている状況が、実現ニッチの典型的な例です。
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