インジウム錫酸化物とは?
いんじうむすずさんかぶつ
インジウム錫酸化物(ITO)とは、酸化インジウムに酸化錫を加えた透明導電性材料で、液晶ディスプレイやタッチパネルの電極として欠かせない素材です。
インジウム錫酸化物(ITO: Indium Tin Oxide)は、酸化インジウム(In₂O₃)に数%の酸化錫(SnO₂)を添加した複合酸化物です。可視光に対して高い透過率(80%以上)を持ちながら、同時に低い電気抵抗率を示す「透明導電膜」として機能する点が最大の特徴で、他の材料では代替が難しい独自のポジションを占めています。
ITOの主な特性は以下のとおりです。
- 高い光透過率: 可視光域での透過率が高く、ディスプレイの視認性を損なわずに電極として機能します。
- 低電気抵抗: 金属酸化物としては異例に低い電気抵抗率を持ち、薄膜電極として利用可能です。
- 薄膜形成の容易さ: スパッタリング法などの真空プロセスで均一な薄膜が得られます。
- 化学的安定性: 酸化物のため大気中での安定性が高く、素子の長寿命化に寄与します。
課題としては、インジウムが希少金属(レアメタル)であるため価格変動が大きく、資源枯渇への懸念から代替材料(酸化亜鉛・グラフェン・銀ナノワイヤーなど)の研究が進んでいます。また、脆性が高くフレキシブルデバイスへの応用に制限があります。主な用途は液晶ディスプレイ(LCD)・有機ELディスプレイ(OLED)・タッチパネルの透明電極、太陽電池の前面電極などです。
使い方・例文
スマートフォンのタッチパネルでは、画面全体に透明なITO薄膜が電極として形成されており、指の接触による静電容量の変化を検出することでタッチ位置を認識しています。
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