アパルテとは?
あぱるて
アパルテとは、演劇で登場人物が他の人物には聞こえないていで観客や特定の相手だけに語りかける演技技法のことです。
アパルテ(aparté)は、演劇・オペラ・映画などで用いられる劇的技法のひとつで、舞台上の登場人物が「その場にいる他の人物には聞こえない」という約束のもとで、観客や舞台外の相手に向けて言葉を発することを指します。フランス語で「脇へ」「傍ら」を意味する à part に由来します。
舞台の約束事(コンベンション)として成立しているため、同じ場面に立つ他の俳優はアパルテの台詞を「聞こえなかった」ものとして演技を続けます。これにより観客だけが登場人物の本音・内面・秘密の計画などを知ることができ、舞台と客席のあいだに独特の共犯関係が生まれます。
アパルテが特に発達したのは17〜18世紀のヨーロッパ演劇で、モリエールやゴルドーニの喜劇で頻繁に用いられました。現代演劇でもアイロニーやメタ演劇的効果を狙って意図的に使われることがあります。映画・テレビドラマでは、カメラ目線でひとりごとを言う手法がアパルテにあたります。
アパルテの主な機能は次のとおりです。
- 登場人物の内面・本心を観客に開示する
- 喜劇的なすれ違いや誤解を生む
- 観客を物語の共犯者にして没入感を高める
- 語り手や解説者的役割を果たす
ソリロキー(独白)と混同されることがありますが、ソリロキーは舞台上にひとりで残った人物の独り言であるのに対し、アパルテは他者が同席した状態で行う点が異なります。
使い方・例文
コメディ舞台で主人公が悪役と会話しながら、客席に向かって小声で「油断させておいて後で逆転してやる」とつぶやく場面がアパルテの典型例です。
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