本文へスキップ

X線天文学とは?

えっくすせんてんもんがく

X線天文学とは、天体から放射されるX線を観測・解析する天文学の分野で、高温プラズマやブラックホール周辺などの極端な天体環境を研究します。

X線天文学は、天体が放射するX線(波長がおよそ0.01〜10ナノメートルの電磁波)を観測して宇宙の高エネルギー現象を解明する学問分野です。X線は地球の大気に吸収されてしまうため、人工衛星や気球などを使って大気圏外から観測する必要があります。

X線を放射する天体は主に数百万〜数億度という超高温の環境にあります。代表的な対象として以下が挙げられます。

  • ブラックホールや中性子星の降着円盤
  • 超新星残骸(爆発後の高温ガス)
  • 銀河団の高温プラズマガス
  • 太陽コロナ(通常の太陽観測にも応用)

X線天文学の歴史は1960年代のロケット観測から始まり、1970年代にNASAのウフル衛星が初めてX線天体の系統的なカタログを作成しました。その後、日本のX線天文衛星シリーズ(てんま・ぎんが・あすか・すざく・ひとみ・XRISM)をはじめ、欧米のチャンドラX線天文台やXMM-ニュートン衛星など多くの専用衛星が打ち上げられ、観測精度が飛躍的に向上しました。

X線天文学によって、ブラックホール質量の測定・宇宙の化学進化の解明・ダークマターの分布推定など、多くの重要な成果が得られています。現代の高エネルギー天体物理学を支える基盤的分野です。

使い方・例文

「チャンドラX線天文台の観測により、銀河団の中心にある超大質量ブラックホールの活動が明らかになった」のように、通常の光では見えない高エネルギー天体現象の研究場面で登場します。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語