逆入とは?
ぎゃくにゅう
逆入とは、書道や版画などで、筆や刀を通常とは逆の方向から入れる技法のことです。
逆入とは、書道・版画・彫刻などの造形芸術において、筆先や彫刻刀を進行方向の逆側から素材に入れ込む技法を指します。
書道における逆入は「逆入平出(ぎゃくにゅうへいしゅつ)」とも呼ばれ、起筆の際に筆先を書き進める方向と反対側に軽く入れてから折り返して筆を運ぶ動作です。こうすることで線の起点が丸みを帯びず、引き締まった力強い表現が生まれます。とくに楷書や行書の横画・縦画の書き始めで多用され、古典的な毛筆の基本技法のひとつとして位置づけられています。
版画や木彫りの分野でも同様の概念があり、木目や石の粒子に対して刃を逆から当てることで、割れや欠けを防ぎながら滑らかな切り込みを実現します。
逆入の意義は次の点にまとめられます。
- 線の起点・終点に重厚感を与える
- 素材の割れや毛羽立ちを抑える
- 古典的な美意識や格式を線に込める
- 作品全体の統一感と完成度を高める
習得には基礎練習の積み重ねが必要ですが、書道・版画を問わず「手の技」の質を決定づける重要な要素として伝承されています。
使い方・例文
書道の稽古で師範から「横画の書き始めは逆入を意識しなさい」と指導を受け、筆先を右ではなく左へ軽く入れてから引くことで、線の始まりが格段に引き締まった。
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