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近地点キックとは?

きんちてんきっく

近地点キックとは、楕円軌道の近地点(地球に最も近い点)でエンジンを噴射し、軌道エネルギーを効率よく増加させる宇宙機の軌道変換技術です。

近地点キック(ペリジー・キック)とは、楕円軌道周回する宇宙機が近地点軌道上で天体に最も近い点)を通過する際にエンジンを噴射して速度を増し、軌道の遠地点高度を上げる技術です。

この操作が効率的である理由は「ホーマン・ツィオルコフスキーのロケット方程式」と関連するオーバルマン効果(Oberth effect)にあります。同じ推進剤量でも、重力が強く宇宙機の速度が最も速い近地点で噴射するほど、軌道エネルギーへの変換効率が高くなります。

典型的な使用シナリオは以下の通りです。

  1. 打ち上げロケットが低軌道に投入後、上段エンジンが近地点で噴射して楕円軌道へ
  2. 遠地点に到達後、再度近地点で噴射を繰り返して軌道を拡大
  3. 最終的に静止トランスファー軌道や月遷移軌道へ到達

近地点キックは静止衛星の打ち上げや月・惑星探査機の軌道投入において頻繁に用いられます。また推進剤の搭載量が限られる小型衛星では、複数回の近地点キックを繰り返す「フライホイール遷移」で徐々に高軌道へ移行する手法も取られます。燃料効率を最大化する上で欠かせない軌道力学の基本技術です。

使い方・例文

静止衛星を打ち上げる際、ロケットが一度楕円軌道に乗り、地球に最も近い近地点でエンジンを再点火して高軌道へ移行するのが近地点キックの典型例です。

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