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転写因子とは?

てんしゃいんし

転写因子とは、DNAの特定配列に結合してRNA合成(転写)の開始や量を調節するタンパク質のことです。

転写因子(てんしゃいんし、transcription factor)とは、細胞内でDNAの特定の塩基配列プロモーターやエンハンサーなど)に結合し、その下流の遺伝子がmRNAに転写される量(発現量)を増加または抑制するタンパク質の総称です。遺伝子発現制御の中心的な分子機構を担います。

転写因子はおおむね以下の機能ドメインを持ちます。

  • DNA結合ドメイン:特定のDNA配列を認識して結合する部分(ジンクフィンガー・ホメオドメイン・bHLHなど)
  • 活性化/抑制ドメイン:RNAポリメラーゼや他の転写機構と相互作用して転写を促進または阻害する部分

転写因子は多細胞生物が同じDNAを持ちながら多種多様な細胞型(神経細胞・筋肉細胞・肝細胞など)を生み出せる仕組みの核心です。発生過程では特定の転写因子が次々と活性化されることで細胞の分化が進みます。例えば、Myoは筋肉分化を、Oct4/Sox2/Klf4は幹細胞性の維持に関わります。

転写因子の異常はがんや遺伝性疾患の原因となることが多く、創薬ターゲットとしての研究が活発です。また、山中伸弥らによるiPS細胞の樹立は、4つの転写因子の導入によって体細胞を多能性幹細胞に初期化できることを示し、ノーベル賞を受賞しました。

使い方・例文

山中伸弥博士がマウスの皮膚細胞に4種の転写因子(Oct3/4・Sox2・Klf4・c-Myc)を導入してiPS細胞を作製した研究は、転写因子が細胞の運命を根本から書き換える力を持つことを示す歴史的な例として広く知られています。

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