見得とは?
みえ
見得とは、歌舞伎において役者が感情の頂点で静止し、印象的なポーズを決める演技技法のことです。
見得(みえ)とは、歌舞伎独特の演技技法で、役者が緊張の頂点や感情の高まった場面で動きを止め、眼を大きく見開いてにらむようにしながら力強いポーズを決める演出のことです。「見栄を切る」という表現の語源にもなっています。
見得の特徴として挙げられるのは、まず「にらみ」と呼ばれる目の動作です。左右の目を異なる方向に動かして顔を固定する独特の表情が見得の核心であり、観客に強烈な印象を与えます。このとき舞台では拍子木が打たれ、音楽が止まり、役者のポーズが際立つ演出がなされます。
見得にはさまざまな種類があります。
- 石投げの見得:石を投げるような形のポーズ
- 不動の見得:仁王立ちのように力をこめて静止する形
- 割り見得:二人の役者が同時に対称的なポーズを決める形
- 六方(ろっぽう):見得の一種で花道を退場しながら力強い歩みを見せる演技
見得は単なるポーズではなく、役者の内面の感情と技術が凝縮された瞬間であり、観客から「成田屋!」などの大向こう(掛け声)が飛ぶ歌舞伎の名場面となります。日本の伝統芸能の中でも特に視覚的なインパクトが強い表現技法として知られています。
使い方・例文
歌舞伎の見どころとして「ここで主役が大きく見得を切った」と語られる場面が代表的です。日常語でも「見栄を張る」「見得を切る」という形で転用されています。
この用語をシェア
最終更新: