結束性とは?
けっそくせい
結束性とは、テキストや談話において文と文がいかに文法的・語彙的に連結されているかを示す言語学上の概念です。
結束性(けっそくせい、英語:cohesion)とは、テキスト言語学・談話分析の分野において、ひとつの文章やスピーチの中で文と文、あるいは節と節がどのように文法的・語彙的に結びついているかを指す概念です。イギリスの言語学者M・A・K・ハリデーとR・ハサンが1976年の著作『Cohesion in English』の中で体系的に論じたことで広く知られるようになりました。
結束性は大きく次のような手段によって実現されます。
- 照応(reference):代名詞「それ」「彼」などを使って前後の要素を指示する
- 省略(ellipsis):同一要素の繰り返しを避けるために語句を省く
- 接続(conjunction):「しかし」「そのため」「また」といった接続詞で文の論理関係を示す
- 語彙的結束性(lexical cohesion):同一語・類義語・上位語などを繰り返し用いることで文脈的なまとまりを作る
結束性は、関連概念である「一貫性(coherence)」と区別して理解することが重要です。一貫性が読み手や聞き手の解釈における意味的まとまりを指すのに対し、結束性はテキスト表面に現れる形式的・文法的なつながりを意味します。文章教育・翻訳・自然言語処理・外国語教育などの分野で実践的に活用される概念です。
使い方・例文
「太郎はケーキを買った。それをすぐに食べた」という文では、「それ」がケーキを照応しており、これが結束性の具体例です。作文指導や文章校正の場面で「つながりが弱い」と指摘される場合、結束性の問題が原因であることが多くあります。
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