移流霧とは?
いりゅうぎり
移流霧とは、暖かく湿った空気が冷たい地表や海面の上を移動することで冷やされて発生する霧のことです。
移流霧(いりゅうきり)は、霧の発生メカニズムで分類した場合の一種で、暖かい気塊が水平方向に移動(移流)し、その下にある冷たい地面や海面に接触して冷やされることで水蒸気が凝結して生じる霧です。英語では「advection fog」と呼ばれます。
発生には以下の条件が重なることが多いです。
- 移流してくる気塊が十分な水蒸気を含んでいる
- 下の地面や海面が気塊より明らかに温度が低い
- 弱い風(毎秒数メートル程度)が安定して吹き続けている
- 大気の安定度が高く、垂直混合が起きにくい
代表的な例として、日本では春から初夏に太平洋沿岸で発生する「海霧(うみぎり)」があります。暖かい黒潮域から運ばれた暖湿気が、親潮の影響を受けた冷たい海面上に流れ込むことで濃い霧が生じ、三陸沖や北海道東部では視界がゼロに近くなることもあります。サンフランシスコ湾岸の夏霧も同様のメカニズムで有名です。
放射霧(夜間に地面が冷えて発生する霧)と異なり、移流霧は昼間でも発生・持続し、海上では数日にわたって広域に分布することがあります。航行安全や航空運航に大きな影響を与えるため、気象観測と予報において重要な現象として扱われています。
使い方・例文
春先の太平洋沿岸で「視界不良により船舶の入港が遅延した」とニュースで報じられる際に、その原因が移流霧である場合が多く見られます。
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