磁気ヒステリシスとは?
じきひすてりしす
磁気ヒステリシスとは、強磁性体が磁化された後、外部磁場を取り除いても磁化が完全には元に戻らない現象のことです。
磁気ヒステリシス(magnetic hysteresis)とは、強磁性体(鉄・ニッケル・コバルトなど)において、外部磁場の変化に対して磁化の変化が遅れ、磁場を減らしても磁化が元の状態に戻らない現象です。ヒステリシスとはギリシャ語で「遅れ」を意味します。
強磁性体の内部は磁区(ドメイン)と呼ばれる小さな磁石の集まりで構成されています。外部磁場をゼロから増加させると磁区が磁場方向に揃い磁化が増大します。磁場を強くしていくとすべての磁区が揃い、磁気飽和に達します。その後磁場を減らしていくと、磁区はすべては元に戻らず、磁場がゼロになっても一定の磁化が残ります。これを残留磁化(残留磁束密度 Br)といいます。残留磁化をゼロにするために逆向きに加えなければならない磁場の強さを保磁力(Hc)と呼びます。
磁気ヒステリシスは磁性材料の分類に使われます。
- 硬磁性材料:保磁力が大きく永久磁石に向く(ネオジム磁石など)
- 軟磁性材料:保磁力が小さくトランスや電磁石の鉄心に向く(ケイ素鋼板など)
ヒステリシスループの面積はエネルギー損失(ヒステリシス損)に比例し、交流を用いるトランスやモーターの発熱・効率に直結するため、材料選択の重要指標となっています。
使い方・例文
冷蔵庫のドアに磁石が張り付いたままでいられるのは、磁気ヒステリシスによって永久磁石の磁化が外部磁場なしでも維持されるためです。
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