ヒステリシスとは?
ひすてりしす
ヒステリシスとは、物質や系の状態が過去の履歴に依存して現在の入力だけでは一意に決まらない現象のことです。
ヒステリシス(Hysteresis)とは、ある系の出力(状態)が現在の入力だけでなく、過去にたどってきた経路(履歴)にも依存する現象を指します。ギリシャ語で「遅れる」を意味する語に由来し、日本語では「履歴効果」とも呼ばれます。
最もよく知られるのは磁性体の磁化ヒステリシスです。鉄などの強磁性体に外部磁場をかけて増加・減少させると、磁化の強さは往路と復路で異なる経路をたどり、磁場をゼロに戻しても残留磁化が生じます。この特性を利用したのが磁気記録媒体やハードディスクです。
ヒステリシスが現れる分野は多岐にわたります。
- 物理・材料:磁気・弾性・形状記憶合金の相変態
- 電子工学:シュミットトリガーなどのスイッチング回路
- 生物学:細胞の遺伝子発現スイッチング
- 経済学:失業率と景気回復の非対称な関係
工学的にはスイッチのチャタリング防止や安定した制御系設計に積極的に利用される一方、材料の疲労や損失(ヒステリシス損)としてマイナスに働く面もあります。系の「記憶」を数学的に扱う概念として物理学・工学を横断する重要な現象です。
使い方・例文
ドアの蝶番がきつく、押し開けるときと引き戻すときで同じ角度でも力の入り方が異なる感覚は、ヒステリシスの身近な例のひとつです。
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