漸近分布とは?
ぜんきんぶんぷ
サンプルサイズが無限大に近づくにつれて統計量が従うようになる極限的な確率分布のことで、有限標本では厳密な分布が不明な場合に近似として広く活用されます。
漸近分布(Asymptotic Distribution)とは、標本サイズnを増やしていったときに統計量(推定量・検定統計量など)が収束していく確率分布のことです。「大標本分布」や「極限分布」とも呼ばれます。
最も有名な例は中心極限定理で、独立同分布の確率変数の平均は、元の分布の形によらず正規分布に漸近します。これにより、母集団の分布が不明な場合でも標本平均について正規近似を使った検定や信頼区間の構成が可能になります。
漸近分布が重要な場面として次のものが挙げられます。
- 最尤推定量: 条件を満たす場合、正規分布に漸近し(フィッシャー情報量の逆行列が分散行列)、Wald検定・尤度比検定・スコア検定の基礎となる
- ノンパラメトリック統計量: 正確分布が複雑なため、漸近分布(カイ二乗・正規)で近似する
- 回帰係数の推論: OLS推定量の信頼区間・t検定も漸近的な正規性に依拠
漸近分布はあくまで近似であり、有限標本でどの程度の精度かは別途評価する必要があります。ブートストラップ法は漸近近似に頼らず標本分布を経験的に推定する代替手段として用いられます。
使い方・例文
標本サイズが大きいデータで最尤推定を行い、推定値の信頼区間を構成したり仮説検定のp値を算出したりする統計解析の場面で「漸近正規性を利用して」という文脈でよく登場します。
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