流し漉きとは?
ながしすき
流し漉きとは、粘剤を加えた紙料を簀桁で縦横に揺すって繊維を絡ませ、薄く均一な紙を漉く日本独自の製紙技法です。
流し漉き(ながしすき)とは、日本の伝統的な手漉き和紙の製造技法のひとつで、コウゾなどの植物繊維を水に溶かした紙料に、ノリウツギやトロロアオイから採った天然の粘剤(ねり)を加え、簀桁(すけた)に入れて前後左右に「流す」ように揺り動かしながら繊維を均一に絡み合わせる方法です。
中国から伝わった「溜め漉き(ためすき)」では紙料を簀に静置して繊維を沈殿させますが、流し漉きでは粘剤によって繊維が水中に長く漂い、揺さぶることで複雑に交差して絡み合います。余分な紙料は簀の外へ流し出し、繊維だけが簀の目に均一に残ります。この操作を繰り返すことで厚みを調整します。
流し漉きによる和紙には次のような特性があります。
- 繊維がランダムに交差するため、縦横の強度が均一で裂けにくい
- 薄くても破れにくく、柔軟性が高い
- 独特の「こなれた」ふんわりとした風合い
- 吸水性・墨の定着性に優れ、書道・版画に適する
流し漉きは平安時代ごろに日本で確立されたとされ、和紙を世界的に特徴づける重要な技術です。この技法がユネスコ無形文化遺産登録の核心をなしており、現代でも全国各地の和紙産地で職人によって守られています。
使い方・例文
和紙の産地体験や工芸館では、実際に簀桁を持って紙料を揺らし流し漉きを体験するプログラムが行われており、その揺すり方によって紙の厚みや仕上がりが変わる繊細さを実感できます。
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