押し湯とは?
おしゆ
押し湯とは、鋳造において凝固収縮を補うために溶融金属を補給する湯だまりで、鋳物内部の引け巣欠陥を防ぐために設けられます。
押し湯(おしゆ、英語:riser / feeder)は、金属鋳造において溶融金属が凝固・収縮する際に生じる体積減少を補うために設けられる溶湯の貯留部です。鋳造欠陥のひとつである「引け巣(収縮巣)」の発生を防ぐ重要な機能を果たします。
必要性と仕組み:ほぼすべての金属は液体から固体に凝固する際に体積が収縮します。この収縮が鋳型内部で起こると、溶湯が不足した部分に空洞(引け巣)が生じ、製品の強度低下や破損の原因となります。押し湯は鋳物本体よりも後まで溶融状態を保ちながら、収縮分の溶湯を継続的に補給することで引け巣を製品外の押し湯部分に集中させます。
設計上のポイント:
- 押し湯は鋳物本体よりも遅く凝固するよう、十分な体積と断熱設計が必要
- 位置は引け巣が発生しやすい厚肉部・最終凝固点の上部に配置する
- 発熱性スリーブや断熱材を使用して押し湯の凝固を遅らせる技術も活用される
- 押し湯部分は製品として使えないため、最小限の体積で効果を得る設計が重要
意義:押し湯の適切な設計は鋳造品の品質を大きく左右します。コンピューターシミュレーション(鋳造CAE)を用いた凝固解析により、押し湯の形状・位置・大きさを最適化する技術が現代の鋳造業では標準的になっています。
使い方・例文
エンジンブロックなど厚みのある鉄鋳物を製造する際、凝固収縮による内部空洞を防ぐために、鋳型の上部に押し湯を設けて溶湯を補給しながら凝固を進めます。
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