引け巣とは?
ひけす
引け巣とは、金属の鋳造時に溶融金属が凝固収縮する際に生じる内部空洞や収縮孔のことで、製品強度を低下させる欠陥の一つです。
引け巣(ひけす、shrinkage cavity / shrinkage porosity)は、金属鋳造において溶融金属が凝固する過程で体積が収縮する際、内部に補充すべき溶湯が供給されずに生じる空洞や多孔質領域です。鋳造欠陥の中でも発生頻度が高く、製品の強度・気密性・耐疲労性に大きく影響します。
発生の仕組みは次のとおりです。ほぼすべての金属は液体から固体に変化する際に体積が収縮します(一般的に1〜7%)。鋳型内で外側から凝固が進むと、最後に凝固する中心部には周囲から溶湯が供給されなくなり、収縮分が空洞として残ります。
引け巣の種類としては次のものがあります。
- 集中引け(macro shrinkage):比較的大きな単一の空洞で、鋳物の上部や最終凝固部に現れやすい
- 分散引け(micro porosity):細かい多孔質状の空隙が広範囲に分布する
引け巣を防ぐためには、押し湯(ライザー)を設けて凝固収縮分の溶湯を補給する、冷やし金(チル)で凝固方向をコントロールする、鋳造温度・注湯速度を最適化するなどの対策が取られます。X線検査や超音波探傷によって非破壊で検出することも可能です。
使い方・例文
エンジンのシリンダーヘッドやポンプケーシングなど、気密性が要求される鋳物部品では、内部に引け巣があると液体や気体が漏れる不具合につながるため、鋳造条件の管理と検査が徹底されます。
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