抗ウイルス薬とは?
こうういるすやく
抗ウイルス薬とは、ウイルスの増殖サイクルを妨害することで感染症の進行を抑制する薬剤の総称のことです。
抗ウイルス薬(こうウイルスやく)は、ウイルスが宿主細胞に侵入・複製・放出する各ステップのいずれかを阻害し、体内でのウイルス増殖を抑制する薬剤です。細菌を標的とする抗菌薬(抗生物質)とは根本的に異なり、ウイルスに固有の構造や酵素を狙うことで選択毒性を実現します。
作用メカニズムは標的によってさまざまです。
- 核酸合成阻害:アシクロビル(ヘルペスウイルス)、オセルタミビル(インフルエンザ)などのヌクレオシドアナログ
- プロテアーゼ阻害:HIV治療薬や新型コロナウイルス治療薬(ニルマトレルビル)が用いる機序
- ノイラミニダーゼ阻害:オセルタミビル・ザナミビルがインフルエンザウイルスの細胞からの放出を阻止
- 侵入・融合阻害:ウイルスが細胞に取り付く段階をブロック
抗ウイルス薬の開発はウイルスが宿主細胞の機構を利用して増殖するため難しく、耐性ウイルスの出現も課題です。HIV感染症では複数の薬剤を組み合わせる多剤併用療法(ART)が標準治療となっています。C型肝炎に対する直接作用型抗ウイルス薬(DAA)は90%以上の治癒率を達成するなど、近年は劇的な進歩が続いています。
使い方・例文
インフルエンザの発症から48時間以内にオセルタミビル(タミフル)を服用すると、ウイルスの増殖が抑えられて発熱期間の短縮が期待できる、というのが抗ウイルス薬の典型的な使用例です。
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