塗り重ね技法とは?
ぬりかさねぎほう
塗り重ね技法とは、絵画や漆芸などで色や素材を何層にも重ねて表現の深みや複雑な質感を生み出す制作手法です。
塗り重ね技法とは、絵の具・漆・ニスなどを複数回にわたって層状に塗り重ねることで、単一の塗りでは得られない深み・透明感・立体感を表現する芸術技法です。
西洋絵画では「グレーズ(グラッシ)技法」と呼ばれ、油絵の具を薄く溶いて何層も重ねることで、光が各層を透過・反射し、宝石のような内側から輝く色彩を生み出します。ルネサンス期のレオナルド・ダ・ヴィンチやヤン・ファン・エイクが確立し、フェルメールもこの手法を駆使したとされています。
日本の漆芸においても塗り重ね技法は核心的な工程です。下地・中塗り・上塗りと何十回もの工程を繰り返し、研ぎと塗りを交互に行うことで、漆本来の光沢と堅牢さが生まれます。蒔絵や変塗りでは意図的に異なる色漆を重ねて研ぎ出すことで、複雑な模様や色彩を作り出します。
現代のアクリル画や水彩画でも同様に、
- 透明色を重ねて色の調和を作る「ウェット・オン・ドライ」
- 乾いた筆で掠らせる「ドライブラシ」
- 厚塗りのインパスト技法と薄塗りの組み合わせ
使い方・例文
油絵で人物の肌を描く際、最初に明暗の下塗りを施し、乾燥後に肌色の半透明色を何層も重ねることで、自然な血色感と立体感を表現するのが塗り重ね技法の典型的な使い方です。
この用語をシェア
最終更新: