問屋制家内工業とは?
とんやせいかないこうぎょう
問屋が原料や道具を農村の家庭に貸し与え、完成品を買い取る近世ヨーロッパや日本の工業組織形態です。
問屋制家内工業とは、商人(問屋)が農村の家庭に原材料や道具を前渡しし、各家庭が自宅で製品を作り上げたものを問屋が買い取るという分業体制のことです。産業革命以前の近世ヨーロッパで広く発達し、日本でも江戸時代から明治期にかけて農村部で行われました。
この仕組みでは、農民は農閑期などに家族全員で紡績・織物・釘打ちなどの手工業を行い、収入を補いました。問屋は生産設備を持たずに広範な農村労働力を組織できるため、コストを抑えながら大量の商品を調達できました。
問屋制家内工業の主な特徴は次のとおりです。
- 問屋が原料・道具の所有権を持ち、生産者はあくまで賃加工者にすぎない
- 工場を持たないため固定費が低く、需要に応じた柔軟な生産が可能
- 農村の余剰労働力を活用し、農業と手工業を兼業させる
- 製品の品質・工程管理は問屋が担い、出来高払いで賃金を支払う
その後、機械制大工場の普及とともに生産の場が工場に移り、問屋制家内工業は衰退しましたが、資本主義的生産関係の初期形態として経済史上重要な位置を占めています。
使い方・例文
江戸時代の桐生・西陣などの絹織物産地では、問屋が農家に糸を預けて布を織らせ、完成した反物を引き取って販売するという問屋制家内工業が盛んに行われていました。
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