乾留とは?
かんりゅう
乾留とは、有機物や固体燃料を空気を遮断した状態で加熱し、熱分解によってガス・液体・固体の各生成物を得る操作のことです。
乾留(かんりゅう、英語:destructive distillation)は、石炭・木材・油頁岩などの有機物を酸素のない密閉容器内で高温に加熱し、熱分解によって複数の有用な物質を同時に得る化学的操作です。蒸留とは異なり、原料を単に気化させるのではなく、化学結合を切断して新たな物質を生成させる点が特徴です。
代表的な乾留の例として石炭の乾留(コークス化)が挙げられます。石炭を900〜1000℃以上で乾留すると、以下の生成物が得られます。
- コークス(固体残渣):製鉄の還元剤として不可欠な燃料
- コールタール(液体):染料・医薬品・樹脂の原料となる芳香族化合物の混合物
- 石炭ガス(気体):水素・メタン・一酸化炭素などを含む燃料ガス
- アンモニア水(副生物):肥料や化学工業の原料
木材の乾留(木材乾留)では、木炭・木酢液・木タールなどが得られます。かつては酢酸やアセトン・メタノールの製造にも利用されていました。
現代では石油化学が主流となりましたが、乾留は製鉄業界でのコークス製造や、バイオマス利用の文脈で引き続き重要な技術です。工業化学・環境化学の基礎知識としても広く扱われています。
使い方・例文
中学・高校の理科の実験では石炭や木材を試験管で加熱して気体や液体を取り出す操作として体験でき、製鉄業では今もコークス製造に欠かせない工程です。
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