本文へスキップ

ランナウェイ選択とは?

らんなうぇいせんたく

雌の配偶者選好と雄の形質が互いを強化し合い、生存には不利な派手な形質が進化的に暴走する現象です。

ランナウェイ選択(runaway selection)は、遺伝学ロナルド・フィッシャーが1930年に提唱した性的選択のメカニズムで、「フィッシャーの暴走過程」とも呼ばれます。

プロセスは次のように展開します。

  1. 集団の中で雌がある雄の形質(例:長い尾羽)をわずかに好む傾向が生じる
  2. その形質を持つ雄が多く交配し、形質の遺伝子と「その形質を好む」選好の遺伝子が連鎖して遺伝する
  3. 両遺伝子が集団内に広まるにつれ、形質と選好が互いを増強し合う正のフィードバックが生まれる
  4. 結果として、生存には不利なほど誇張された形質(クジャクの尾、ニワトリのとさかなど)が急速に進化する

この過程の特徴は、当初の選好がたとえ恣意的に生じたとしても自己強化的に拡大する点にあります。ランナウェイ過程はやがて自然選択の不利(捕食リスクの増大など)と均衡したところで止まると考えられています。

現実の動物でどこまでランナウェイ選択が起きているかの検証は難しく、「正直なシグナル」仮説(良い遺伝子仮説)との論争が続く研究領域でもあります。

使い方・例文

クジャクの雄が捕食者に見つかりやすいほど長い尾羽を持つにもかかわらず、その形質が世代を経るにつれ誇張されてきた理由を説明する文脈でよく登場します。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語