モルデントとは?
もるでんと
モルデントとは、主音から隣接する下の音へ素早く動いてすぐ戻る装飾音奏法のことです。
モルデント(mordent)は、バロック・古典派音楽で多用される装飾音の一種です。主音(本来の音)から1度下の隣接音へ素早く動き、すぐに主音へ戻る演奏法で、楽譜では波線に縦棒を添えた記号(𝆞)で表されます。この動きにより音に「噛みつく」ようなアクセントと活気が生まれます。
モルデントには2種類あります。
- 下モルデント(モルデント):主音→下隣接音→主音の順に動く。記号は波線に縦棒。
- 上モルデント(プラルトリラー):主音→上隣接音→主音の順に動く。記号は縦棒なしの波線で、トリルと混同されることがある。
バロック時代にはフランス・ドイツ・イタリアで名称や記号の使われ方が異なり、当時の演奏論(ドルンブルクやクァンツの著作など)を参照しないと正確な解釈が難しいとされます。現代では「モルデント」という語は主に下モルデントを指すことが多く、上モルデントはプラルトリラーと呼び分ける場合が一般的です。
バッハのインヴェンションやスカルラッティのソナタなどに頻繁に登場し、鍵盤楽器や管楽器の演奏に彩りを添える重要な表現手段となっています。
使い方・例文
バッハの「インヴェンション第1番」では旋律の随所にモルデントが指示されており、単調になりがちな反復音型に生き生きとしたアクセントを与えています。
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