メゾティントとは?
めぞてぃんと
メゾティントとは、銅版画の技法のひとつで、金属板全面にざらつきを付けてから削って描く方法により、滑らかなグラデーションと深みのある黒を表現できる凹版印刷技法です。
メゾティント(mezzotint)は、17世紀にヨーロッパで発展した銅版画(凹版印刷)の技法です。イタリア語で「半音調」を意味する名称が示す通り、深い黒から白まで滑らかなグラデーションを表現できることが最大の特徴です。
制作手順は独特で、まず「ロッカー(rockerまたはberceau)」と呼ばれる半月形の鋸歯状工具を使い、銅板の全面に均一な細かな傷(バー)を付けます。この段階で版に墨を乗せると全面が真黒く印刷される状態になります。次にバーニッシャー(磨き工具)やスクレーパーを使って必要な部分の傷を滑らかに削ったり磨いたりすることで、明るい部分や白を作り出します。最終的に濃淡のグラデーションが生まれる仕組みです。
メゾティントは光と影の微妙なグラデーションに優れており、肖像画や風景画、宗教画の複製に特に重用されました。18世紀のイギリスで特に盛んになり、絵画複製の媒体として広く普及しました。
デメリットとしては、銅板の傷が印刷を重ねるうちに摩耗して版が劣化しやすく、大量印刷に向かない点があります。現代では純粋な芸術表現の技法として版画作家に取り上げられており、日本でも重要な版画技法として美術教育で扱われています。
使い方・例文
美術館の版画コレクションでは、18世紀ヨーロッパの肖像画を複製したメゾティントが展示されることがあり、写真のような滑らかな階調表現が特徴です。版画の授業でも「凹版印刷の技法」として紹介されます。
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