ムコールとは?
むこーる
ムコールとは、パンや食品に生えるクモの巣状の白いカビで、ケカビ目に属する糸状菌の属です。
ムコール(Mucor)は、ケカビ目ムコール科(Mucoraceae)に分類される糸状菌(カビ)の属です。世界中の土壌・堆肥・腐敗した食品・動物の糞などに広く分布しており、繁殖速度が速く、環境中の有機物分解に重要な役割を果たしています。
ムコールの菌糸は隔壁を持たない(無隔壁)のが特徴で、白色から灰色のふわふわとしたコロニーを形成します。胞子嚢(スポランジウム)と呼ばれる丸い袋状の構造に多数の胞子を生成し、風や接触で飛散させることで繁殖します。この胞子嚢が特徴的な形態として識別のポイントになります。
食品への関わりは二面的です。腐敗面では、パン・果物・野菜などに繁殖して食品を傷める原因となります。一方、発酵・食品製造面では、
- 中国・東南アジアの伝統的な酒造り(テンペや中国酒の麹)にムコール属が利用される
- リパーゼ・プロテアーゼなどの酵素生産に産業利用される
- 豆腐の発酵食品(腐乳)にも関与する種がある
医学的には、免疫不全者に対してムコール症(ムコールミコーシス)と呼ばれる深在性真菌症を引き起こすことがあり、重篤な感染症として知られています。アスペルギルスやカンジダと並んで日和見感染の重要な起因菌のひとつです。
使い方・例文
湿度の高い環境に放置したパンに白くふわふわとしたカビが生えた場合、ムコールが原因である可能性があります。微生物学の実験でカビの形態観察の教材としてもよく使われます。
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