ミュラー管とは?
みゅーらーかん
ミュラー管とは、胎生期に存在する一対の管状構造で、女性では子宮・卵管・腟の一部へと発達する生殖器の原基組織です。
ミュラー管(Müller管、傍中腎管)は、胎生期(胎児が子宮内で発育する時期)に出現する一対の管状組織です。19世紀のドイツの生理学者ヨハネス・ミュラーが記載したことからその名がつきました。医学用語では「傍中腎管(ぼうちゅうじんかん)」とも呼ばれます。
胎生初期には、すべての胎児が男女どちらにも分化できる「原始生殖器」を持っています。この時期にウォルフ管(中腎管)とともにミュラー管が存在します。その後、胎児の性染色体と性腺(卵巣・精巣)の影響により、次のような分化が起こります。
- 女性の場合:ミュラー管がそのまま発達し、左右が一部合わさって子宮・子宮頸管・腟の上部を形成する。卵管はミュラー管の上部から生じる。
- 男性の場合:精巣から分泌される抗ミュラー管ホルモン(AMH)の働きによりミュラー管は退縮・消失する。
抗ミュラー管ホルモン(AMH)は現在、卵巣予備能の指標として不妊治療の検査でも広く用いられています。卵巣に残っている卵子の数の目安となるホルモンです。
ミュラー管の発達に異常が生じると、子宮奇形(双角子宮・子宮中隔など)や腟の形成不全(ロキタンスキー症候群)などの先天性疾患が起こることがあります。
使い方・例文
不妊治療のクリニックで行う血液検査でAMH(ミュラー管ホルモン)を測定すると、卵巣に残っている卵子のおおよその数を把握することができます。
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