ブローカ失語とは?
ぶろーかしつご
ブローカ失語とは、左前頭葉のブローカ野の損傷により言葉の産出が困難になる一方、言語理解は比較的保たれる失語症の一型です。
ブローカ失語(Broca's aphasia)は、左大脳半球の前頭葉下部にあるブローカ野(ブロードマン44・45野)とその周辺が損傷されることで生じる失語症の一型です。19世紀のフランス人外科医ポール・ブローカが、言語産出に障害を持つ患者の死後解剖からこの部位の重要性を明らかにしたことにちなんで名付けられました。
最大の特徴は「話したいのに言葉がスムーズに出ない」という非流暢性の発話障害です。話すスピードが遅く、助詞や助動詞などの文法的な機能語が脱落したり、文が短く電報文体になったりします(失文法)。一方で、相手の言葉を理解する能力は比較的よく保たれているため、患者自身が自らの障害を強く自覚し、フラストレーションや抑うつを感じやすいのも特徴です。
主な症状をまとめると以下のようになります。
- 非流暢・努力性の発話(一語または短い句の繰り返し)
- 失文法(助詞・接続詞・活用の省略や誤り)
- 言語理解は比較的保持
- 復唱に困難を伴う
- 書字障害を伴うことが多い
原因としては脳梗塞・脳出血・頭部外傷などが挙げられます。リハビリテーションでは言語聴覚士による言語療法が中心となり、発話の再訓練・コミュニケーション補助手段の活用が行われます。
使い方・例文
ブローカ失語の患者が「病院…行く…今日」のように助詞を省いた断片的な発話をする場面は、言語聴覚士の実習や神経心理学の授業で典型例として取り上げられます。発話は困難でも相手の話をほぼ理解できるため、筆談や絵カードを活用したコミュニケーション支援が有効です。
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