本文へスキップ

フランク・コンドンの原理とは?

ふらんくこんどんのげんり

「原理」の用語まとめを見る

フランク・コンドンの原理とは、分子の電子遷移は原子核の位置と運動量がほぼ変化しない瞬間に起こるという量子化学の基本原理です。

フランク・コンドンの原理(Franck-Condon principle)とは、分子が光を吸収または放出して電子状態が変化するとき、原子核の位置と運動量は電子遷移の時間スケールに比べて変化が無視できるほど遅いため、遷移は「核が静止したまま」で起こるという原理です。ジェームズ・フランク(James Franck)とエドワード・コンドン(Edward Condon)によって1920年代に提唱されました。

この原理の背景には、電子の質量が原子核に比べてはるかに小さいという事実があります。電子遷移にかかる時間(10のマイナス15乗秒程度)は、原子核が振動する時間(10のマイナス13乗程度)より格段に短いため、遷移の瞬間に核座標はほぼ変わりません。

量子力学的には、電子遷移の確率は始状態と終状態の核の振動波動関数の重なり積分(フランク・コンドン因子)の二乗に比例します。この重なりが大きい振動準位間の遷移が優先的に起こるため、吸収・発光スペクトルは特定の振動バンドに強い強度が現れるという特徴的なパターンを示します。

この原理が重要となる場面は以下の通りです。

  • 紫外・可視吸収スペクトルの解析
  • 分子の蛍光・リン光スペクトルの解釈
  • ラマン散乱の解析
  • 光化学反応の反応経路の理解

現代の光化学・分光学・量子化学において不可欠な概念です。

使い方・例文

有機分子の紫外可視吸収スペクトルに現れる振動構造を解釈するとき、フランク・コンドンの原理が理由として説明されます。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語