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ファノ共鳴とは?

ふぁのきょうめい

ファノ共鳴とは、散乱スペクトルに現れる非対称な共鳴プロファイルで、離散準位と連続準位の量子干渉によって生じる現象のことです。

ファノ共鳴(Fano resonance)とは、量子系において離散的なエネルギー準位(束縛状態)と連続スペクトル(散乱状態)が干渉することで生じる、特徴的な非対称形状の共鳴現象です。1961年にウゴ・ファノがその理論的定式化を発表したことからこの名称で呼ばれます。

通常の共鳴(ローレンツ型)では共鳴周波数付近でスペクトルが対称なピークを示しますが、ファノ共鳴では「共鳴エネルギーのすぐ近傍に透過(または散乱断面積)がゼロになる点」と「透過が最大になる点」が隣り合って現れる非対称プロファイルとなります。これは直接遷移経路と共鳴を経由する経路との間の量子力学的干渉によるもので、両経路の位相関係が鍵を握ります。

ファノ共鳴が観測・利用される主な分野は以下の通りです。

  • 原子・核物理:最初に発見された舞台であり、電子散乱の断面積スペクトルに現れます。
  • 半導体・ナノ構造:量子ドットや量子ワイヤーにおける電気伝導特性。
  • フォトニクス・プラズモニクス:メタマテリアルやナノ金属構造での光の透過・吸収制御。
  • MEMSや共振器:高Q値フィルターや超高感度センサーへの応用。

近年、プラズモニックナノ構造における「プラズモニックファノ共鳴」が注目されており、化学・生体センサーや非線形光学素子、光スイッチングデバイスへの応用研究が活発に進んでいます。鋭い非対称スペクトルは環境変化への感度が非常に高く、次世代センシング技術の基盤として期待されています。

使い方・例文

プラズモニックナノ粒子を用いたバイオセンサーでは、ファノ共鳴の鋭い透過ディップを利用してタンパク質や病原体を極微量検出する研究が進められています。

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