ピジャージュとは?
ぴじゃーじゅ
ピジャージュとは、赤ワインの醸造工程でタンク上部に浮かぶ果皮の塊(果帽)を足や棒で押し沈める作業のことで、色素・タンニン・香りをワインに抽出するために行います。
ピジャージュ(pigeage)は、フランス語で「踏む・沈める」を意味するワイン醸造用語です。赤ワインの発酵中、タンク内で果汁(マスト)の上部に果皮・種・果肉が浮かび上がって固まった層——「果帽(かぼう)」または「キャップ」——を定期的に押し沈める作業を指します。
この作業が必要な理由は、赤ワインの品質に直結する成分の抽出にあります。ワインの色を決めるアントシアニン(赤色色素)、渋みの素となるタンニン、香り成分のほとんどは果皮と種に含まれています。果汁とこれらの固形物を定期的に混ぜ合わせることで、成分を効率的に抽出するとともに、果帽の乾燥や有害な酢酸菌の繁殖を防ぎます。
ピジャージュの方法にはいくつかの種類があります。
- 足踏み(伝統的手法):文字通り素足や長靴でタンクに入って踏み沈める。最も古典的な方法で、現在も一部の生産者が行う
- 棒・パドルによる手作業:専用の棒やパドルを使って押し込む。小規模ワイナリーで一般的
- 機械式ピジャージュ:エアシリンダーや油圧装置を使った自動機械で押し沈める。大規模生産者に多い
ピジャージュの頻度や強度はワインのスタイルに影響します。強い抽出を好む生産者は1日に数回行い、柔らかいタンニンを目指す場合は穏やかに行います。類似する技術として「ルモンタージュ(果汁を下からポンプで上に循環させる方法)」があり、生産者の哲学やブドウの品種によってどちらを選ぶかが異なります。ブルゴーニュのピノ・ノワールではピジャージュ、ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンではルモンタージュを選ぶ傾向があります。
使い方・例文
「このドメーヌでは毎日2回、人の手でピジャージュを行い、果皮からの丁寧な抽出がワインに深い色とアロマをもたらしている」というように、ワイン造りのこだわりや醸造工程を説明する場面で使われます。
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